X線撮影や透視など、放射線を用いる検査や治療を行う場面では、従事者自身の安全対策が不可欠です。
特に、防護衣(鉛エプロンやネックガード)の着用は最も基本的かつ有効な手段であり、着用の有無で職業被ばく線量には大きな差が生じます。
✅ 被ばく線量は90%以上減らせる
一般的な鉛エプロン(0.25mmPb相当)を着用した場合、散乱線による被ばくを90〜95%程度低減できることが、複数の研究で示されています。
防護具 | 線量低減効果 |
---|---|
鉛エプロン(0.25mmPb) | 約90〜95% |
ネックガード(甲状腺シールド) | 甲状腺被ばくを約50〜80%軽減 |
防護衣は“形式的”に着るのではなく、被ばくを最小限に抑える“実効的”な手段です。
📍 着用時の注意点
- 鉛エプロンは身体前面を確実に覆うように着用
- ネックガードは首にしっかりフィットさせる
- 装着前に破損・ひび割れの有無を確認する (使用後はハンガーにかける!!)
- サイズや位置がずれていないか、撮影前に再確認
🐾 獣医療現場では?
獣医療では、法的規制が緩やかなこともあり、防護衣の着用が徹底されていないケースがあります。
しかし、至近距離でのX線照射や動物の保定作業では、被ばくリスクが高まるため、防護衣とネックガードの着用は強く推奨されます。
🔚 最後に
放射線は見えませんが、守る手段は見えます。
日々の診療で「ちょっとだけだから」と思わず、必ず防護衣を着用しましょう。
その一着が、あなたの健康と将来を守ります。
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